CAFE Sharonへの道のり

Sharonという名のカフェを開きます。日々思ったことを書いています。

「待つ」ことについて

kyouki.hatenablog.com

 

わたしが読者である「ICHIROYAさんのブログ」の記事に非常に感銘を受けました。このブログを読んで、思いだしたことを書きたいと思います。

 

わたしが今勤めている商社に、転職したばかりのときの話です。わたしは、おそらく営業に配属されるだろうから「バリバリ仕事をがんばるぞ」と意気込んでいました。ですが、配属先は営業支援関係の間接部門でした。

 

そして、仕事の内容はというとお客さんの新規開拓です。商品も客筋も何も教えられないまま、飛び込み営業に行ってこいと言われました。

 

ビビりながらも、全く会ったときもない会社の社長さん相手に面談。とにかく会社のPR、いかにそのお客さんにメリットを出せるかを必死でしゃべていました。

 

100軒お客さんを回っても、商品はひとつも売れませんでした。

 

そんなとき、とあるメーカーの所長さんから電話があり「○○さん、ちょっと、仕事さぼらない?」と言われファミレスでコーヒーをご馳走になりました。

 

「○○さん、なんか、あせっているよね?」事務所内で見たわたしの顔色を敏感に察知したようです。

 

今までのことを話したら「それは、○○さんがしゃべりすぎるからだよ。どんなに無口な人でも、本当はみんな自分のことを話したいんだよ。それをあなたがしゃべりすぎたら、相手はしゃべれないよね。」

 

「相手にしゃべらせるには、待つんだよ。沈黙は怖いかもしれないけど、相手も怖いからきっとしゃべりだす。人間自分の話を聞いてくれる人が好きだから、多分商品を買ってくれると思うよ。」

 

半信半疑でした。でも、他に手がないので、試してみました。結果、売れました。10軒に一軒は、商品を買ってくれて最終目標である口座取引開始になっていきます。

 

「面談させて欲しい」と言ってきたわたし(営業マン)が黙っている。当然相手の社長さんに「あんた何しに来たの?」と言われます。「社長の話が聞きたいんです。」というと社長さんは笑っています。

 

気が付くと社長は、自分の会社の社員の愚痴をこれでもかというぐらいに話をしています。「10分だけなら、面談していいよ」と言った社長と2時間以上面談しています。初対面なのに。

 

社長「あ!もうこんな時間だ!会社の案内かなんか置いていったら」

わたし「いや、いいです」

社長「なんで?」

わたし「社長の話また聞きたいから、また今度来たとき持ってきます」

 

社長は、笑っています。

 

前職では、コンピュータの技術職だったわたし。営業の仕事って、しゃべることだと思っていました。

 

そのとき、営業の仕事って聞く(=待つ)仕事なんだと確信しました。異論がある方もいるかと思いますが、何もないところから自分を認めてもらうには、逆に相手の存在を本気で認めることだと思います。

 

相手の存在を認めるためには、相手の話を聞かなければ認めることは出来ないと思います。相手が本当のことを話してくれるまで、待つこと。

 

相手のこころに響く仕事をしたいものです。

 

そして、ICHIROYAさんのブログのそば屋さん、すごいと思いました。

 

例えば、毎日のように先方に行って「売ってください」というお願いするのもひとつの情熱だと思います。

でもひたすら待つことによって、結果奥さんの心に何よりも激しい衝撃を与えたんでしょう。人の心を動かすって、こういうことなんでしょうね。

 

わたしの話も、ICHIROYAさんの話しも共通しているのは、「待つ」ということですが、「人の話を待たずに自分の話をする人」、「自分の想いを実現することばかり考え相手の気持ちを尊重し待つことが出来ない人」が自分も含め多いと思います。

 

ちょっと気持ちを切り替えて、心に余裕を持って相手を待っていると思わぬ発見があったり、良い方向に話が動いたりするのを実感するときがあります。

 

とかく現代社会は、せわしなく結果を早く求めがちになりますが、折角人として生まれて、人との出会いがあるのですから、人の話はちゃんと腰を据えて聞かないと人生損するような気がしています(笑)

 

ICHIROYAさん素敵な話ありがとうございました!